みんなの政治塾inKOBE、浅尾慶一郎政調会長の話を聞く。

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こんばんは!
滋賀県大津市議会議員 藤井哲也 です。

5月19日(土曜)に、2名の20代前半起業家の講演会を浜大津で開催します。
また、6月3日(日曜)には、「藤井哲也と語る会」をおごと温泉で開催します。こちらにはみんなの党の衆議院議員に来てもらい基調講演をしていただくことになりました。
両イベントとも参加者、募集中です!ぜひとも フェイスブックから または 直接 お申込みをお願い致します。

さて、昨日(4月15日)は神戸で、「みんなの政治塾inKOBE」(第三回講義)が行われました。
今回は、みんなの党の衆議院議員 浅尾慶一郎政調会長による「税と社会保障」に関するレクチャーでした。




勉強になった事柄について以下、自分なりにまとめます。

【1】増税の前にやるべきことがある!
● 1990年よりも実質経済はいまのほうがかなり大きい。名目経済でも若干いまのほうが大きい。
● 産業別人件費で一番大きいのは公務員。
● 社会保障費(半分は税金で負担)や退職手当の積立金を足すと一人当たりの人件費は約1千万円となる。
● 公務員の退職手当は、民間で言う「退職一時金」と「企業年金」を合算した額が支払われている。
● 民間と比較して公務員の方が約400万円多く、退職手当が支払われている。
● 国家公務員の場合、人事評価制度を処遇に反映させても「D」評価、「E評価」を相対的に少なく設定してしまったため返って総額人件費が高まっている。
● 「民間の厚生年金」と公務員年金」が同額にならなければならないが、公務員OBの方が月額4、5万円多くもらっている。
● こうした無駄を普通に戻すだけで年間5兆4千億円、税金を節約できる。これは消費税にすれば約2.5%。
● 名目成長を高める、要らない資産を売る、公務員制度改革を行う、これらをやった上で初めて「税と社会保障」の改革に着手すべき。

【2】現行の社会保障制度の問題点
● 社会保険料の徴収漏れが現在、全国で約10兆円ある。
● 払っていない会社(労働者)があるために、全体的に高めの社会保険を「支払っている人」が払わなければならない。
● 歳入庁をつくって税と社会保障の歳入を一元化すべき。
● 協会けんぽの保険料は今年から10%だが、なぜか公務員の保険料は安い。
● なぜ公務員の保険料は安いのか?→国庫から補助が出ている。かつて恩給制度があり全額税金で支払われていたがその名残?
● 年金についてはそれほど問題はないのではないか。
● 医療費は今後増え続けていく。高齢化の影響が大きいし、日本の場合は保険適用される医療行為が諸外国に比較して多いなどが理由。
● どこまでを日本の国が保険適用でやらねばならないかを議論すべき。例えば延命治療など。諸外国では保険適用していない。
● ただし金持ちだけが長生きするのが良いのかは、国民的な合意が必要となる。
● 2075年が日本の高齢化のピーク。厚生労働省は人口構成を踏まえたうえでプランニングすべきでは?
● 医療保険の問題は、これまでの政治家の責任が大きいのでは。
● 日本の医療費は先進国の中で2番目に少ない。一番はメキシコなので実質1番少ない。
● それでいて日本は世界の最長寿国である。効率的な医療が行われてきた。
● 日本の医療保険は良い部分もある。しかしこのままではいけない抜本的な改革が求められるところだ。


以上、自分なりのまとめです。

その他、ベーシックインカム(ミニマムインカム)の話や、減価償却の自由償却制度、消費税のインボイスの話もありました。非常に内容が濃いものでした。

また、個人的には、社会保障を全額消費税で賄おうとすれば税率25~30%にしないといけない試算となっていますが、これは財源で言えば50兆円以上を指します。いくら日本の赤字国債の購買余力があるといってもいつまでも余力があるわけでもないので、財政均衡(プライマリーバランス)を目指さねばならないのは、言うまでもありません。
名目成長率を高め、社会保険の徴収漏れをなくし、公務員制度改革を実現してもなお、数十兆円規模の財源不足が生じるはずです。この部分についてもう少し勉強をしていきたいと思いました。
大阪維新の会は、「掛け捨て型」年金制度を提唱しています。維新の会自身が、これは議論の対象といっていて、まだ具体論はないに等しいと思いますが、私はこの考え方は正しいのではないかと思っています。少なくとも、全額消費税で賄うよりもよほど良いと思います。

いま消費税増税をすることによって、経済はどれほどのダメージを受けるでしょうか。
消費者はますます買い控えを起こすでしょう。
中小零細企業は消費増税分を実際は利益の中から吸収負担しなければならないでしょう。
地域の企業は経営難となり、地域経済から崩れ始めると思います。
消費税も「富の再分配」のひとつなので、それがきちんと社会に還元されれば問題ありませんが、現在の再分配の仕方では、公務員の厚遇が維持されて、資産をたくさんもっているひとにたくさん年金が支払われて貯蓄・資産化されていくだけのように感じます。

もっと勉強しなければなりません。
この問題が、日本の未来の浮沈を握っていると私は感じています。


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