台風18号災害対策の振り返り@市議会防災対策特別委員会。

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こんにちは。
大津市議会議員 藤井哲也です。

早いもので明日が11月議会の開会日です。
一般質問の事前通告期日が12月3日のため、集めた情報の分析を行い、質問原稿の作成に取り組んでいます。
現在、ようやく質問の構成が決定したところです。但し、事前通告までも新しい情報が入ってくるかもしれませんので状況を見ながら構成に変更はかけなければならないと思っています。

昨日は台風18号の災害対策を振り返る、防災対策特別委員会が開催されました。
私も委員の一人として、ヒアリングに加わりました。

総務部危機管理課と消防局の職員の方から災害対策について一連の報告がありました。
災害対策に関られた皆さまに敬意を表しますとともに、被害にあわれた市民の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

防災対策特別委員会では私からは以下の項目について質問をさせて頂きました。
質問の趣旨と併せて記載したいと思います。


【1】今後の庁内情報システムのリスクマネジメントのあり方

 台風18号が襲来した際に、大津市では庁内情報システムのメンテナンスを行っており、庁内システムの立ち上げができませんでした。この影響により、消防局の課題として「市グループウェアのダウンにより、局災害対策本部と署隊本部間において災害現場のトリアージや他署への応援体制、避難勧告等の初動対応に遅延が生じた」と挙げられており、また市役所本庁と支所間の情報の受発信においてメールが使えないなど、情報収集及びそのフィードバック、また災害対策の指示命令に関して、大きな支障になったところです。
 そもそも大規模災害が予見できる状況下で、システムメンテナンスを行っていること自体が問題だと思うのですが(前日の消防局創設周年記念イベントの際に不安に感じていました)、いざという時のために、代替サーバーを運用しておくことや、情報の受発信においてなんらかの対策を講じておく必要がありました。
 この問題について今後、どのような対策をとっていくのかを質問し、危機管理課からは①来年3月のクラウドサーバーを利用したシステムの運用、②災害情報システムを年度内に稼働、③庁内情報システムとは別の単体でネットにつながる機器の導入 の行う旨の説明がありました。

【2】災害対策本部長と危機管理課との意思疎通について

 災害対策本部が設置されていた9月18日に、災害対策本部長である市長が文部科学省に行っていたことが分かっていますが、この事実を災害対策本部の事務局を担当する危機管理課が知らなかったとのことです。
 これは市の災害対策におけるリスクマネジメントの感覚が根底から問われる非常に重大な問題です。
 言うまでもなく、災害対策本部長は災害対策本部における最高意思決定者であり、また最高責任者であります。
 市長はなぜ隠密のうちに(東京に行っていたことを危機対策課が知ったのは事後とのこと)、東京に行ったのでしょうか。不思議です。
 今後、災害時における情報共有はしっかりすべきとも申しましたが、「市長に伝える」とのことでした。

【3】災害対策本部内の情報収集と分析、そして最適人員配置に関する意志決定について
 今回の災害は市職員の全員参集の体制がとられました。特別警報が発令されたのが午前5時過ぎで、その後 午前6時時点で全職員の34%、7時時点で54%、8時時点で65%、午前9時時点で71%、10時時点で75%で、最終的に79%の参集率でした。
 移動手段が限られるなどの制約があり、参集率自体にはそれほど問題がないと思います。
 逆に私が問題視したのは、実際に任務を受けて災害対策に稼働していた人数(率)です。
 これを質問しましたが、明確な回答はありませんで、単に「手持無沙汰になっている職員が多数いた」ということばかり繰り返し述べられました。
 実際に職員が頑張って参集したとしても、それを災害対応の戦力に活用できなければ、単なる徒労であり、人件費の無駄です。
 私としては情報収集の方法と、なによりも情報分析から人員配置指示の意志決定力の貧弱さが課題と思います。
 職員から聞くところによると、午前7時に来たのはいいものの、何もすることがなく指示もなく、避難指示等の解除があった17時頃に「本日は解散」との連絡がきたとのことでした。こうした職員が数百人いたものと考えられます。

【4】市民への避難指示等の周知の遅れについて
 報道等でも明らかになり、私も以前ブログで取り上げましたが、市民への情報周知が遅れました。
 これは先にもふれた市の情報システムのメンテナンスに起因するものですが、ホームページが立ち上がったのが市の説明では午前6時前(特別警報等の記載)、午前9時前になりようやく避難勧告や避難指示が記載されました。
 また委員会で質問したのは、若葉台の避難指示が16日午前1時に出されたにも関らず、市ホームページは当然稼働しておらず、防災メールが発信されたのも午前5時26分と非常に遅れた件です。
 市の答弁としては、「避難所開設に時間を要した」とのことです。聞くところによると、避難所となっている学校のカギを持っている方の到着が遅れたようです。


以上の問題を指摘させて頂きました。
今回のことを教訓に、防災力の向上につながるよう見直しを図って頂きたいと思います。


大津市議会議員 藤井哲也拝



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