No Venture , No Future !

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おはようございます。
滋賀県の大津市議会議員、藤井哲也です。

昨日から滋賀県知事選挙がスタートしました。
私自身は先日のブログ記事でも記載しましたが、「関与せず(中立)」の立場ですので、特に応援などの予定はございません。市議活動を選挙期間中も粛々と行っていきたいと思います。


昨夜は私が幹事をさせて頂いている異業種交流会「三縁の会」の第46回定例会でした。
ほぼ毎月開催し4年が経過したところです。毎回、ゲストスピーチ&交流会を行っています。

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今回のゲストは10年来つながりを持たせて頂いている、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社の今庄啓二社長でした。私も2003年より会社経営を現在に至るまで行っており、その間いくつかの日本初の革新的なサービスをリリースしてきました。そうしたことから、ベンチャーキャピタルを含め多くのベンチャー支援者様からご支援を頂いてきましたが、その一社がこのFVCです。JASDAQに上場され、京都に本社を置いておられます。

大津市も関与は深く、「大津市・草津市活性化協議会」のメンバーであり、協議会の主要事業であるマネジメントスクールはFVCが運営をされています。

今庄社長とお会いした2003年~2004年当時は、社長ではなく執行役員で、投資業務の最前線におられました。
その頃は、ベンチャー企業が急成長をしていた時期で、楽天、グローバルメディアオンライン(GMO)、サイバーエージェントやライブドア(オンザエッジ)を筆頭に、ミクシィやGREE、ディーエヌエー、ドリコム、はてな などIT業界を中心に、次々と上場をしました。私も当然、上場を目指して企業経営を行い右肩上がりで成長をしていました。投資会社も大変活発でした。

しかしライブドアショックとサブプライムショックにより、状況は一変しました。
私の事業領域である「人材ビジネス」も、求人の激減により、大きく影響を受けました。投資会社も同じで大打撃でした。

そうした状況下でFVCの再建を任されたのが今庄社長でした。
昨夜、あらためてその御苦労をお伺いしました。武者ぶるいをするほどのお話でした。

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ベンチャーなくして未来なし。

(No Venture , No Future)


新しいことを始めない限り、新しい未来はないというのは、厳しい競争社会の中に身を置くひとりとして大変理解できます。相当の覚悟を持ってつくられたスローガンだと思います。


最近、議員として活動をしていると、自分がどうも馬鹿になっていくように思えてなりません。周囲のスピードが遅すぎて感性が鈍っていくのを感じます。特にお役所の仕事は、世の中のスピード感に全くついて行けていないように感じています。なぜ検討業務に入るまでに半年や1年かかり、検討業務に半年や1年をかけて、計画を練るのに半年から1年をかけるのでしょうか。(産業振興策や観光振興策などを念頭において述べています)

計画している間に、世の中はどんどん変わっています。
計画を作り終え、ようやく事業に着手しても、その計画はすでに時代遅れとなっています。
3カ月で計画を立て、その年度中に補正予算を組み、素早く事業に着手すべきです。本当にトロすぎます。


なぜ役所仕事が遅いのかは私なりに3つ理由があると思います。
① 競争原理が働いていない。
② 内部事務が多すぎる。
③ 自分たちでは早くやっているつもり。

まずは競争原理が働いていないことです。製品開発競争に出遅れたからといて、売上利益が下がり雇用が不安定になることもありません。仮に他の自治体より条例を創るのが遅れたり、産業振興策が遅れても、それで誰も首になることもありません。しかしそれで割を食うのは市民です。最近は民間出身の中途入社する公務員も増えてきましたが、ゆでガエルの法則ではありませんが、長年公務員の世界にどっぷり浸かるとそうした感覚も徐々に失われていきます。

次に内部事務が多すぎることです。これは内部統制とも関係してきますが、報告連絡相談が多すぎると、物事が前になかなか進みません。決済ばかりで次のアクションに進めるのが起案から1週間後というのもザラです。民間で起案から1週間なにも物事が動かせないというのはありえません。事なかれ主義や、過度のリスクマネジメント、もしくは過剰に多い管理職がそうした内部事務を増加させていル原因だと考えられます。

また「自分たちでは早くやっているつもり」というのも理由としてあると思います。
公務員の常識はきっと民間の非常識である事柄も多いでしょう。
検討に入るまでの調査に半年かけるのが普通(慣例)である中、たとえば3、4か月でそれを終えた場合、「自分たちは早く進めている」と錯覚することになりますが、実は世間一般ではそうしたスピード感でさえ、かなり遅いのが実情です。正直なところ、ありえないくらい遅いです。


公務員の方たちは本来は能力が高い人が多いでしょう。特に大津市のような中核市であればなおさらだと思います。しかし成長できるスピードはかなり遅いと考えられます。30歳にもなれば、民間で働いている人の方がきっと高いパフォーマンスをあげられると思います。

「自分たちは本当は能力が高い」「自分たちは世間一般が思っているよりも、がんばっている」「公務員バッシングに耐えて自分たちはよくがんばっている」と思っているとすれば、それは間違いだと思います。一部仕事ができる職員はおられます。極めて優れている方も一握りですがおられます。しかし残念ながら大半は民間に行くと半分の給与しかもらえないような人ばかりです。


公務員の方を悪く言っていますが、かく言う私もFVCの今庄社長のお話を聞いて、最近の自分のパフォーマンスについて、深く反省しました。
自分自身が現在、ベンチャー企業という「精神と時の部屋という絶好の成長の場から離れつつあり、ぬるま湯の中に馴染みつつあることにいることを客観視でき、危機感を持った次第です。


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なお1点、産業振興策について社長は述べておられました。
「東京一極集中しているが、地方においてはお金は回っていない」と。

今年度、私の提案によりFVCも関わっている前述の「大津市草津市地域活性化協議会」において、「大津・草津地域クリエイティブ事業大賞」が創設されます。市場の大きさや支援体制の充実性から、滋賀県よりも京都で起業することが多々あります。私もその一人です。
滋賀県、大津市で新規事業を起こして頂き、地域活性化につなげていくためには、「0→1」に引き上げる信用担保を一定、行政や経済団体が担う必要があるというのが私の持論です。
(現在の井上産業観光部長はかなり後ろ向きですが)

新規事業を育成し軌道に乗せるためには、マスコミが取り上げてくれたり、金融機関がお金を貸してくれたり、大手企業が話を聞いてくれたりするだけの最低限の信用を確保することです。起業した人がもともと信用力がある人であれば別ですが、新規ベンチャー企業ではそうしたケースは稀です。信用ゼロ、資金少し、ビジネスプランは素晴らしいというベンチャー企業の多くが潰れていくのを、この10年間で私は嫌ほど見てきました。どんなに良い製品でも、会社や社長の信用力がなければモノは売れません。売れなければ早晩つぶれるしかありません。

そうしたことから、現在大津市が取り組むべき産業振興施策は、いい企業や事業シーズを見つけ、信用を担保することだと思います。
ヒヨコが卵から生まれて、最初の餌を食べられるまでの面倒を見ることです。どのヒヨコが優秀かを見極める力も、産業活性化コーディネーターを中心に期待したいところです。


昨夜は私にとり大変有り難い時間でした。
私が会社経営を現在も引き続きさせて頂いているのは、「内向きにならない」ということも理由の一つです。社会の変化を敏感に感じ取って常に自らの在り方を変容させ、社会に必要となる人物であるようにいたいと思います。今後の議会活動に生かしていく所存です。


大津市議会議員 藤井哲也拝





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