11月議会 一般質問解説⑧「湖西台土地区画整理事業」

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大津市議会議員の藤井哲也です。
本年も一年間、誠にありがとうございました。
来る年も皆々様が健やかにお迎えされ、輝かしい一年になりますことを心より願っております。

平成26年の書き納め記事となります。

最後は大津市北部の「湖西台土地区画整理事業」に関してです。

湖西台土地区画整理事業(大津市)藤井哲也資料


まちづくりは「都市計画」に沿って進められています。
どこにでもビルが建てられるわけでもなく、家を建てられない地域や、工場立地が予め想定されている地域があります。上図は大津市北部の堅田周辺マップですが、色が付いているところが「市街化区域」と言って、何かの建物を新規で立てても良いという区域です。

この区域区分の設定は、「大津湖南都市計画区域(大津市一部、草津市、守山市、栗東市、野洲市、湖南市)」として滋賀県の審議会で決定されます。つまり大津市が独自に区域設定をすることもできなければ、滋賀県も一方的に決定することができず(あくまで専門家によって構成される審議会が力を持っている)、そう簡単に指定替えをすることができない問題です。

この湖西台土地区画整理事業は、1992年に「市街化調整区域」(※1)から、「市街化区域」(※2)に変更する都市計画決定がなされました。株式会社大林組が事業用地の大半を確保しており、同社による開発が予定されてきました。事業化に向けて1988年から1994年に環境アセスが行われ、その後 事業の見直し検討を経て2008年に再度環境アセスが再開されましたが、リーマンショックの影響により現在は塩漬け状態となっています。

一旦、「市街化区域」を解除してしまえば、大津湖南都市計画区域の中で再度、審議されることになり、おそらく大津市には新たな企業立地用地や、住宅用地となりうる「市街化区域」が設定される可能性は少ないと思います。
大津市にとっては、最後の事業用地と考えられる貴重な場所でもあります。

今後、湖西道路の4車線化や、びわ湖大橋の無料化議論とアクセス道路の国道477号の拡幅が視野に入ってきていること、そして湖西台土地区画整理事業隣接のびわこサイエンスパーク用地がいっぱいになってきていること、堅田駅西口土地区画整理事業が2018年ごろには完了見込みであり、堅田西口から湖西道路をつなぐ通称大林道路と言われる道路建設が切望されていることなどが挙げられ、需要の高まりが見えてきています。

無駄な公共投資は全く必要ありませんが(例えば何度も何度も同じ場所を掘り返す年度末の工事)、地域の環境変化に応じた需要を満たす「湖西台土地区画整理事業」のような必要事業は進めるべきです。また国も東京一極集中を是正するために、地方への企業や人口の分散を掲げた「国人口ビジョン・総合戦略」を策定しました。

堅田真野地域を中心に、大津市北部のコンパクトシティ化を推進するためにも、この事業の推進を進めていきたいと思います。大部分の土地を所有する大林組からは、大津市に対して無償譲渡を申し出ておられます。現在、大津市では伊藤副市長を筆頭とした庁内プロジェクトチームが結成され今後の利活用のあり方検討を進めています。今回の質問ではこうした検討の促進を促す為に現在の検討状況の確認を行いました。

以下が答弁です。

 今年8月に庁内関係部局による検討会議を開催し、9月以降も課題の抽出や土地活用の可能性について検討を行っているところである。現時点においては土地活用による周辺地域への環境や当該区域における他地権者(大林組以外)の存在等が課題であると認識している。
 なお今後の検討スケジュールについては、引き続き庁内関係部局による検討会議を行い、本市としての土地利用の方針案を示したうえで、周辺学区の自治連合会を中心とした地元協議会や有識者等で構成される外部委員会を設置し、ご意見を伺っていきたいと考えている。




それでは来年も宜しくお願いします。
本年一年、誠にありがとうございました。


大津市議会議員 藤井哲也拝


【参考】
※1:「市街化区域」とは、「すでに市街地を形成している区域および概ね10年以内に優先的、計画的に市街化を図るべき区域」とされる。都市計画区域として指定された区域のうち、既に市街地になっている区域や公共施設を整備したり面的な整備を行うことにより積極的に整備・開発を行っていく区域として区分される。市街化調整区域と対をなす。

※2:「市街化調整区域」とは、「市街化を抑制すべき区域」とされる。この区域では、開発行為は原則として行わず、都市施設の整備も原則として行われない。つまり、新たに建築物を建てたり、増築することを極力抑える地域となる。ただし、一定規模までの農林水産業施設や、公的な施設、および公的機関による土地区画整理事業などによる整備等は可能である。既存建築物を除いては、全般的に農林水産業などの田園地帯とすることが企図されている。市街化区域と対をなす。





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