一般質問解説⑥「人事給与制度&退職手当制度改革」

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一般質問解説の6項目は、議員になって以来、何度となく取り上げている「市人事給与制度改革」と今回新たに取り上げた「退職手当制度改革」についてです。

現在の大津市の給与制度は以下の図の通りです。

大津市現在の給料レンジ

職位別に見た給与比較


かねてから何度も議会で訴えてきた問題として、一般職員給与(残業代込)が、管理職給与(管理職手当込)を越えてしまう状態が発生しています。これは大津市に限った話ではありませんが、一般的に公務員の人事給与制度は、号俸が下に長く伸びていて、昇格しなくても、長年勤めるだけで自然と給与が上がっていく年功制の色合いが強くあります。大津市の制度も同様です。

現状のこの制度による弊害は、職員モチベーションの低下や、管理職のなり手不足の問題につながっており、がんばっても、がんばらなくても給与が一緒という状況を打破しなければ、大津市のために決していいと言えないと考えてきました。

本年度ようやくこの制度の抜本的見直しが開始されたのですが、来年(2016年)4月に予定されていた新制度移行が、諸々の理由により延期され、引き続き検討がされていくことになりました。早期に制度改革を実施すべきであり、この点は私は市長に対して厳しく申し上げたいところです。市民に対する痛みを強いる一方、がんばらない職員を優遇する現在の制度は一刻も早く改革すべきです。

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また、今回新たに「退職手当制度の改革」を提案しました。
これも分かりにくいので図を用いて説明します。

退職制度改革大津市①

現在の退職手当制度は、退職時の給与月額が算定基礎数字となって退職手当が支給されます。つまり22歳で市役所に就職して60歳まで38年間勤め上げた場合、途中どれだけ頑張って仕事に取組み、重い職責を担った仕事に励んだとしてもそうした頑張りは退職手当に反映されず、最終的な給与だけが反映されるというものです。

私は職員(特に若手や中堅)のモチベーションを上げて、市民サービスを向上していく必要性から、退職手当の制度も変革をしなければならないと考えています。以下のような制度をイメージしています。

退職制度改革大津市②


答弁は「現行の退職手当の見直しの必要性についてでありますが、本市の退職手当制度の考え方といたしましては、地方公務員法で求められている国家公務員との均衡の原則に基づき定める必要があると考えております。そこで、本市では、平成18年4月において、国と同様に、民間企業の退職金ポイント制における職務ポイントを参考にした調整額の仕組みを導入し、職員のモチベーションの維持に努めているところでございます。」というものでした。
答弁書はこちら

国家公務員との均衡の原則はもちろんですが、均衡を図るべきは民間の給与水準ではないでしょうか。なにか言っていることがズレています。これが越市長の考えなのでしょう。残念です。

また現在、民間企業の退職金ポイント制における職務ポイントを参考にした調整額の仕組みを導入しているということですが、条例では以下のように規定されています。

(退職手当の調整額)
第6条の4 退職した者に対する退職手当の調整額は、その者の基礎在職期間の初日の属する月からその者の基礎在職期間の末日の属する月までの各月ごとに当該各月にその者が属していた次の各号に掲げる職員の区分に応じて当該各号に定める額(以下「調整月額」という。)のうちその額が最も多いものから順次その順位を付し、その第1順位から第60順位までの調整月額を合計した額とする。
(1) 第1号区分 54,150円
(2) 第2号区分 50,000円
(3) 第3号区分 45,850円
(4) 第4号区分 41,700円
(5) 第5号区分 33,350円
(6) 第6号区分 25,000円
(7) 第7号区分 20,850円
(8) 第8号区分 16,700円
(9) 第9号区分 零

というものです。
分かりやすく言うと、給与が高い第1順位から第60順位までの「調整月額」の和を、退職手当の基本額に追加するというものです。
つまり退職間際の5年間だけが退職手当に反映されるという制度であり、60歳で定年退職するならば、55歳以降の頑張りしか反映をされないというものです。

この制度上の問題点を解消しなければ意味がありません。
今後とも引き続き、退職手当制度の改革を訴え続けていきたいと思います。


大津市議会議員 藤井哲也拝




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