【9月議会 質問解説④】観光振興課に関する問題について(前編)

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 紅葉がきれいな季節です。今年は特にきれいな印象を受けます。
 おかげさまで大変忙しくしており、議員活動だけでなく、会社経営や大学院通学、役員を務めさせて頂いている団体の活動などが重なり、ここ数か月間は休日も全くなく、まずは遊びたい盛りのわが子や家族には理解してくれていることに感謝したいと思います。また多くの皆様から各種行事やイベントにお招きを頂戴しておりますが、どうしても議会活動や公的行事、先約があり、出席ができないことが多々あります。(藤井家の法事さえ参加できていないのは心苦しく思います)タイムマネジメントをもっとうまくやれるように努めていきたいと思いますので、なにとぞご理解を賜れましたら幸いです。

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 11月28日開会の11月通常会議が近づいてきています。後日、ブログでもご案内いたしますが、大変重たい議案がいくつか提出される予定です。そろそろ臨戦モードに入りたいと思っております。

 さて9月議会の一般質問で取り上げた問題のうち、最後の「観光振興課に関する諸問題」について解説をいたします。
 大きく分けて、「観光振興課のずさんな組織体質」と「観光プロデューサーの偽装出向契約の疑い」についての2つです。前編と後篇に分けてそれぞれブログ記事でまとめたいと思います。

●旅費の二重払いの背景にある組織風土について
質問:藤井哲也
 6月議会でも観光プロデューサーの募集選考に係る疑惑を取り上げ、本会議や常任委員会の場で説明を受けましたが、なお私としましては疑念を払拭できていません。この問題は単なる一契約案件に対する質問ではなく、そうした問題の背景にある組織体質こそが真因ではないかと考えており、そうした組織体質を改善しなければ市民や観光事業者、また議会から信頼を得られず、結果として観光振興対策や市政の停滞を招くおそれがあると感じております。今後改善がなされることを期待し、観光プロデューサーの契約案件に加え産業観光部のマネジメントや組織体質に問題を広げ、前回議会に引き続きこの問題を取り上げようと思います。

 まず、ずさんな組織体質並びにマネジメントについてでありますが、本市観光プロデューサーの出向協定に関する公文書などの公開請求を8月8日に行い夏期休業集中取得期間も挟んだことから、公開決定期限は通常よりは1週間延長され9月2日に制定されました。しかしながら、担当課によるミスで期日である9月2日中の、金曜日でありましたけれども、公文書受け取りができず、翌週の水曜日に向けた一般質問の事前提出しなければいけませんので、政務調査活動に支障を来した点ではこの際強く抗議申し上げなければなりません。この問題は一職員のミスではなく、管理職のマネジメント不足に原因があると考えています。また、公開された公文書を確認したところ、議員であれば当然のように作成する視察報告書、行政側では復命書と呼ばれていますが、観光プロデューサーが作成していなかった件も気になったが、それよりも観光振興課長、観光プロデューサーの本年3月から8月初旬にかけて行われた出張旅費請求書22件のうち3件以上において通勤用定期券を持っているJR乗車区間にも関わらず二重で旅費が支払われている不正が判明しました。件数の多さから考えて単純な事務処理ミスとは言えない、マネジメント上の問題、組織風土の問題があるのではないかと思います。これら産業観光部内の事務執行に関するマネジメント、組織風土の課題についてどのように捉え、今後どのように改善していこうとしているのかをお伺いするものであります。

答弁:山田崇産業観光部長
 今回の産業観光部内の事務処理に関するマネジメントについてですが、担当者が取り扱った事務処理は大津市職員等の旅費に関する条例及び同施行規則に基づき処理したものです。適正な事務処理を行うために毎年出納室が実施する庶務担当者の研修内容を課内にて共有し、また人事課作成の職員等の旅費に関する事務処理マニュアルに沿った事務処理方法を繰り返し確認しているところですが、今回旅費積算の事務処理ミスが発生いたしました。
 本来であれば庶務担当者が積算した額を入力並びに帳票確認することはもちろんのこと、係長及び出納員である所属長が大津市財務規則に基づき支出確認を行うところですが、その内容も含めチェックが不十分でありました。
 今回の件を受けまして観光振興課全員で事務処理ミスについての原因と課題を共有し、今後二度と同様の事例が起こらないよう決済ルートや旅費積算の確認を行うことも含めOJT研修などの取り組みを進めてまいります。また、産業観光部内においても出納室配布の事務処理マニュアルの再確認や副担当職員による事務処理のチェックの徹底のほか、事務処理に関する研修を実施するなど再発防止に努めてまいります。今回の事務処理ミスを深く反省いたしますとともに、今後二度とこのような事態が発生しないよう適正な事務処理に努めてまいります。

再質問:藤井哲也
 質問でございますけれども、これは事務処理ミスだけを取り上げているのではなくて、情報公開請求の開示が予定どおりされなかった件、また観光プロデューサーが視察報告書を書いていない件も含めて、非常にずさんな事務処理であったりとか体質が組織内部にあるのではないかというふうなことを問うています。
 二重払いについては昨年度だと思いますけれども、市長自身のタクシーの問題で取り上げられたように、非常に庁内においても当然話題になったと思いますが、その後、同じようにこのようにミスが生じている、これは私は管理職が管理職の仕事をされていない、適格性の問題ではないかと思います。
 また、産業観光部内のコミュニケーション、部長と観光振興課課長、またプロデューサーであったりとか一般職員、こういった方とのコミュニケーション、また組織上のマネジメントがうまく働いていない、こういうふうなことも問題としましては背景としてあるのではないかというふうに考えておりますけれども、そういう体質の問題についてお伺いできないかというふうに考えております。

再答弁:山田崇産業観光部長

 マネジメントや体質ということでございますけれども、広く捉えますれば議員お述べの組織風土の課題というところに至るのかなというふうに思っております。私ども組織風土というのは、職員の考え方や行動あるいは感情を及ぼすと考えられる一連の特性で多くの不文律を含んでおりまして、変革することというのは大変難しいことだというふうに捉まえております。
 このことから直ちに今回のミスが組織風土の問題であるというふうに単純に処理するんではなくて、今回のミスがこういった組織風土に大きく起因するのかどうかについて、先ほども述べましたようにまずは課内、部内でOJTを行いまして制度やシステム、規則など目に見えるハード的な問題認識だけではない問題が自らが発見でき、職員間で共有することができるというようなことになれば、ビジョンの改革やシステム改革、個人の行動様式などに影響する価値観あるいは先ほど申されましたコミュニケーション等について変革する必要があると考えております。

●旅費二重払いの全庁的なチェック状況
質問:藤井哲也議員 
 次の質問に移ります。2015年度決算における旅費支給状況の確認についてお伺いします。
 今回の産業観光部内の旅費不正受給を受けて、今般決算議案が提出されていることからも全庁的なチェック状況が気になりました。昨年度決算において全庁的に旅費の二重払いがなかったことの確約を会計管理者からいただくとともに、今後の事務改善について本市行政の見解をお伺いしたいと思います。

答弁:松田哲男会計管理者
 旅費の支出につきましては各所属におきまして大津市職員等の旅費に関する条例及び同施行規則に基づき旅行命令が作成されており、その旅費の支出確認につきましては大津市財務規則に基づき会計管理者から各所属長へ委任し、各所属長が行っております。
 このため、会計管理者として議員御指摘の旅費の二重払いはなかったことを確約することについては困難であるとは考えております。これまで各所属長へ審査を委ねている事項につきましては、会計管理者として監督指導を行うべき職責があるため出納事務執行における留意事項等についての通知を定期的に発するなど出納員として正確な事務の遂行についての周知徹底を図ってきたところでございます。しかしながら、今回の事案を真摯に受け止めまして、特に旅費に関しましては総務部とも協力をし事務処理誤り再発防止に努めてまいりたいと考えております。

答弁:上野隆平総務部長
 今後の事務改善についての見解についてでありますが、旅費の運用については従前より作成している職員等の旅費に関する事務処理マニュアルに適宜改定を加えて各所属に周知しているところでございます。
 今後速やかに研修会を開催し、特に疑義の多い内容や今回の例のような誤りの生じやすいケースなどを重点的に説明するとともに、システムの活用を検討することで適正な旅費の支出に努めてまいります。また、長期的には総務事務の見直しなど効率かつ誤りのない組織体制となるよう検討してまいりたいと考えます。

再質問:藤井哲也
 会計管理者から確約、二重払いの確約がなかったというふうなことでありました。けれども、これは非常に決算の正当性に関わる問題かと思いますけれども、今後私たち議員はどのように確認していけばいいのか、お伺いしたいと思います。

再答弁:松田哲男会計管理者
 確約という言葉の中で、確約はできないという表現をさせていただきました。
 先ほど申し上げましたとおり、審査委任事項ではございますが、私のいわゆる指導監督のもとできちっとその職責を果たしていただく前提のもと、なおかつ職員の信頼関係のもとでこういった審査委任という行為を行っております。
 そういったことから、軽はずみに見ていないものにつきまして「確約できない」というふうに申し上げたわけですが、当然 決算議案については正確性を期したものを、きちんと議員の皆様にお示しするということがあって初めての審議だというふうに思っております。
 そういった意味からも出納整理期間は終わっておりますけれども、こういった中で正すべきものは正していくという趣旨のもとで、今後臨んでいきたいと考えております。


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 インターンシップ生が8月、9月と2か月間来てくれていて、たまたま別件で資料を調査してもらっていたところ、大津市観光振興課の管理職に支払われている旅費の二重払い(定期券保持区間の旅費受給)が多数発見されました。
 1件や2件なら単なる事務処理ミスで済むかもしれませんが、今回はその数がけっこう多く、限られた期間の限られた職員の状況を確認しただけでも、見過ごすことができない数の二重払いがありました。
 これ以外にも、情報公開請求していた書類の開示が職員のミスで遅れたり、または観光プロデューサーが4万円程度かけて行った出張の報告書が作成されていなかったりと、事務処理がボロボロです。なぜこんなにミスや不正ばかり起きるのでしょうか?
 私としては管理職が機能していないからだと感じています。管理職は組織を率いると共に、事務処理に問題がないか確認を行った上で決裁する権限を有しています。確認せず、考えもせず決裁を下すのは管理職失格です。もし管理職になって日が浅い職員がいるのであれば、そうした職員をサポートするのが課長や部長のはずです。そうした人もしっかりサポートすることができていないのでしょう。
 産業観光部長も答弁で行っている通り、風土改革の必要は認識しています。
 私が聞くところ、観光振興課は市内観光事業者と信頼関係が形成できていません。「やつら(観光振興課)は何も仕事をしていない」というのが、私が聞くところの多くの方の共通認識です。
 単に公務員を叩きたいために、わざわざこのような問題を取り上げているのではなく、特に観光振興のように民間事業者との密接な連携を必要とする部署においては、民間の意識を持つ必要が強いと感じているからです。お金の使い方(費用対効果の観念)や、競争環境の共有などの面で早期に意識改革をしてほしいと願っています。
 そもそも観光振興課(行政)という制約の多いポジションで自由に動けないというのであれば、早期に公民連携の「大津版DMO」を創設し、そちらに大幅に権限移譲を行い、大津の観光プロモーションを推進していくべきです。企業局では最近、このあたり動きが活発になっているように思います。

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大津市議会議員 藤井哲也拝




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