小中学校規模適正化の問題と、議会活動に対する評価制度に関する研修会。

ホームブログ>小中学校規模適正化の問題と、議会活動に対する評価制度に関する研修会。


 現在、大津市では小中学校の規模適正化の説明会が各地で行われています。
 既に子供が少なくなった市立幼稚園では統合が始まってきており、今後は小中学校レベルにおいても説明や地域内での議論が進められます。
 先日、市内小学校で最も生徒が少なくなっている葛川地域で開催された学校規模適正化の説明会に、参加者として寄せさせて頂きました。会場は地域住民の方でいっぱいとなり関心の高さを感じました。



 桶谷教育長や船見政策監、小林学校教育課長ら大津市教育委員会の幹部の皆さんが勢揃いし、教育委員会側のモチベーションも感じました。
 学校規模適正化について、一応の説明がなされた後は、質疑応答と意見交換がなされました。
 おおよその議事録については、私自身の備忘録として筆記しましたので、共有するためこちらにアップします。

 ポイントと感じたのは、
 ①「小規模特認校」制度を葛川小中学校で選択すべきかどうか。
 ② 小中学校が仮に他の学校と統廃合してしまえば、「学区」がなくなってしまうので、コミュニティ・スクールの立ち上げを含め、地域一体での情報と認識の共有、そして地域住民による議論と決定が必要になること。
 ③ 現に小学生の大半が学区外からの移住家族であることを鑑みて、市と地域が連携しながら、移住者を増やしていく施策を取らなければならない。その際、保育園や学童クラブの問題も課題として捉えていかねばならない。

 というものです。
 特に②の学区消滅というのは深刻な事態です。葛川の歴史・文化は古く、「葛川学区」という地区単位がなくなれば、ますます埋没する可能性があります。意見交換の場でもありました通り、1年や2年という期間で結論が出るという単純な問題ではありません。また葛川でそうした議論が今後進むということは、他の人口減少地域においても同様の課題が突きつけられると言えます。
 私が説明会における地域住民の意見で特に印象に残ったのは、「葛川はここ何十年も、小規模校で運営してきた。そうしたことが間違っていたのか。はっきりしない。」「多様性は学級の中だけで磨かれるのではなく、縦のつながりや地域とのつながりの中でも磨かれていく。」「葛川という地域で感性が磨かれる。今後の社会で活躍できるのは、そうした感性ではないか。」というものです。
 大津市や市教委の学校規模適正化の考え方によれば、クラス替えができない規模(20人とされる)は不適切ということですが、そうした考えが一律的に言えるのかどうかは微妙です。もちろんこうした問題が提起される背景には、行政コストの削減があるとは思いますが、人が減るからこそ、教育に力を入れなければならないと思います。


*****

 来年度から大津市議会では、市議会の活動に対する評価制度の検討を本格的に始めることになります。
 これは私が所属する会派も議会運営委員会で提案した項目ですので、私も関心を持っています。



一般的に議会活動を評価するのは、選挙における市民の皆様ですが、そうであれば4年間をひとまとめとしての評価で、しかもそれが議会活動によるものか、単なる人気なのかがわかりません。あくまで議会の活動をどのように評価するのかが大切で、どのような形でそれを行っていくのかを検討することになります。
 今では、「行政評価」はほとんどの自治体で行われています。しかし、「議会評価」はほとんどの自治体議会でなされていないように思います。
 確かに大津市議会は、早稲田大学マニフェスト研究所による議会改革度ランキングで、昨年度は全国第2位という素晴らしい評価を頂戴しましたが、それはあくまで議会改革度に対する客観的評価であり、果たして「市民福祉の向上」に対して、どれだけ議会が寄与したのかを評価したものではありません。
 本来、議会は「議会改革度」を競うものではなく、「市民福祉の向上寄与度」を競うべきです。
 
 研修会の結論を言えば、
 ① 市民福祉の向上の観点からの評価指標をどう設定するのか
 ② 議会改革や議会活動と、市民福祉の向上のロジックモデル(体系化)をどう図るのか
 という問題が提起されたように思います。

 これはひるがえって、一人一人の議員に対しても同じことが言えるように思います。
 つまり、「議員としての活動量」ではなく、「市民のために実際にどれだけの貢献をしたか」が重要ということだと思います。私自身、そうしたことを意識して行動していきたいと思います。
 

*****

 先の記事で書きました、高島市議会議員選挙も早くも終盤です。
 昨日、出陣式に寄せさせて頂きました「万木ゆたか候補」から連絡を頂戴して、選挙最終日の明日に微力ながら応援に伺うことになりました。厳しい戦いが続いていると思います。本人はもちろんですが選挙で大変な思いをするのがその支援者です。陣中見舞にもならないかもしれませんが、湖西地域発展という共通課題の実現のために、馳せ参じたいと思います。

 
大津市議会議員 藤井哲也拝





▲ページのトップへ