選挙間近ですが、大津市議会では平成28年度決算を審議する決算常任委員会が本日始まりました。10月18日までの間、審議を通じて、昨年度事業の検証を行います。

 早速、本日の決算総括説明&質疑で、私も質問を行わせて頂きました。
 力を入れて取組んでいる「行政評価制度」に関してです。

 民間企業でもそうですが、目標があって、その目標に対してどの程度進捗することができたのかを測定することが必要となってきます。事務事業単位での評価のことを「事務事業評価」といい、事務事業の一つ上のまとまりに対する評価のことを「施策評価」と呼びます。大津市ではこの「事務事業評価」と「施策評価」を合わせて、毎年度、大津市総合計画の推進度を測り、不足しているところはどこなのかを検証しています。

 ただこれまで何度も指摘したように、「事務事業評価」は一定なされているものの、「施策評価」はほとんど為されてきませんでした。ハッキリ言ってこれは政策調整部の怠慢ですし、それを問題と思わない大津市長の責任です。

 本会議でも問題指摘してきたことが奏功したのか、本年度の行政評価については、一歩前進し、きちんと独自の考え方ではありますが、施策評価を執り行い、施策の優先付けを行おうとしている姿勢を感じられました。

 8月24日と9月19日に政策調整会議(各部局の政策監・次長クラスによる組織横断型の会議)が開催され、そこで政策調整部から、市民意識調査(平成27年度)を用いた「乖離指数」なる概念により施策単位の優先付けを行う材料が示されました。







優先度としては、「★」の数が多いほど市民意識と乖離しており、「A」の方が事業としては進捗が見られるものであることから、「★★B」→「★★A」→「★B」→「★A」で、来年度予算編成に臨まねばならないと思われます。

「★★B」に該当する施策
 ・施策7 災害に強いまちづくり
 
「★★A」に該当する施策
 ・施策2 効率的で開かれた行政運営
 ・施策3 次世代をはぐくむまちづくり
 ・施策5 子どもを大切にするまちづくり
 ・施策8 犯罪の少ないまちづくり
 ・施策12 高齢者が健やかに暮らせるまちづくり
 ・施策17 生活の安心を支えるまちづくり

「★B」に該当する施策
 ・施策12 安心・安全な上下水道と都市ガスのあるまちづくり
 
「★A」に該当する施策
 ・施策4 希望を持って子どもを産み育てられるまちづくり
 ・施策6 子どもを伸ばすまちづくり
 ・施策9 頼りになるまちづくり
 ・施策13 障害者を支えるまちづくり
 ・施策14 いつまでも健康に暮らせるまちづくり
 ・施策16 医療の充実したまちづくり
 ・施策25 中心市街地に活力のあるまちづくり
 ・施策27 農林水産業をはぐくむまちづくり
 ・施策36 労者が充実感を持って働けるまちづくり
 ・施策37 青少年が健全に育つまちづくり
 ・施策39 地域交通網が整ったまちづくり
 ・施策42 住環境の整ったまちづくり
 ・施策50 ごみを適切に処理するまちづくり


 ただし、本年度から新たに「新総合計画」が走っていますので、従来の施策を新しい総合計画に当てはめて考えていく必要があります。




 以上の置き換えを踏まえて、本市が来年度、特に重点的に取り組まねばならない施策並びに平成32年度までに達成すべき目標は以下の通りです。


【とにかく真剣に取り組まねばならない施策】

 ・施策26 災害に強いまちづくりの推進
  ① 各学区における地区防災計画の策定数 36学区
  ② 市民を対象とした消防防災訓練参加者数 5万人/年


【けっこう真剣に取り組まねばならない施策】

 ・施策1 子育て環境の充実
  ① 待機児童数 0人
  ② 3年保育の実施率 100%
  ③ 地域子育て支援拠点利用者数 15万7千人/年

 ・施策3 いじめ対策の推進
  ① いじめが収束した割合 100%
  ② 前学年の時にいじめを受けなかった子どもの割合 71.1%

 ・施策4 子どもを守る仕組みの充実
  ① 子育て支援プログラム・児童虐待防止研修の参加者数 1200人/年
  ② 子どもの居場所作り箇所数(寺子屋プロジェクト) 36か所
  ③ 発達支援療育事業利用者(登録者)数 120人/年

 ・施策6 高齢者の福祉・介護の充実
  ① 在宅療養を実現できると考える市民の割合 30%
  ② 認知症サポーター養成講座受講者数 24500人/年
  ③ 介護予防に取り組む市民の数(健康いきいき講座受講者数) 1600人/年
 
 ・施策8 安定した社会保障制度の運営
  ① 特定健康診断受診率 60%
  ② 自立支援プログラム達成者 350人/年

 ・施策27 防犯力の向上と生活安全の推進
  ① 人口1万人あたりの刑法犯罪認知件数 65件/年
  ② 市内の交通事故死傷者数 1300人/年

 ・施策38 行財政改革の強化と持続可能な都市経営
  ① 行政改革プランにおける削減効果額(期間累計) 40億5532万円

 ・施策39 公共施設マネジメントの推進
  ① 公共施設マネジメントの取り組みの進捗率 100%

 ・施策40 開かれた市政の推進
  ① 年間プレスリリース数 916件/年


 以上です。
 私がいま一度、検証が必要だと強く感じるのは、上記に挙げた目標指標と数値が果たして妥当なものなのか?ということです。
 市民意識との乖離が生じているのは、事業の進捗度が遅いからではなく、そもそも目標している指標や数値が市民の思いから外れたものになっているのではないかという問題です。
 その一つは、以前も取り上げた「開かれた市政の推進」に掲げる施策目標「年間プレスリリース数 916件」というもの。年間プレスリリースを多くしたからといって、それが開かれた市政の推進なのかといえば、甚だ疑問です。本当に市民が求めているのは、市政の透明性のはずで、ブラックボックスにある政策形成過程であったり、行政にとっては不都合な情報も隠蔽しないで積極的に公表しようとするかという問題ではないでしょうか。
 いわば、行政に対する不信感を払拭することが求められているわけですが、それを「年間プレスリリース数」で説明できるとはとても考えられません。また市民の得られるメリット(アウトカム)でもありません。

 大津市で問題なのは、こうした検証を本来は毎年実施すべきなのにもかかわらず、これまではほぼ行って来られず、「新総合計画」の下では、4年に1度しか施策評価がなされない可能性もあるのは、行政というか市長の独善、独りよがりに過ぎなくなってしまうということです。実行計画の期間中であっても検証を十分に行い、柔軟に施策のあり方や、配下の事務事業構成を見直す必要があるのです。

 今回、行政評価システムが一歩前進したように思いますが、新たな総合計画のもとで行われる行政評価システムがどのようなものになるのか、しっかりとチェックしていこうと思います。


大津市議 藤井テツ